Thank you Mr. Accomplice

盲目を撃て
杯に注ぐ半分
あらゆる禍津を
退屈でできた王国
道化師たちの指と指
ひかりとよく似た病気
夜と星が交わり黒になる
できない子を憂いてみせて
優しくない世界なら要らない
器であればふたりでわけられる
あなたが不幸せでありますように
ぼくにとってたったひとつの幸せ
選ばれない者のカタストロフィ
約束だった場所で待っていて
愛とは甘く痺れる劇毒の事
燃やし尽くした後の世界
すべて奪われたかった
眩すぎる光と闇の渦
日も厄災も君の中
誰か僕に救いを
過ぎ去った火
陰陽の双児

殻は嘘ばっか
ほんの少しの浄化
遮断機を切って落とす
きみが首無しならよかった
あの日産まれなかった光が泣く
だれかの思考が煩くて眠れない
欲望と道化のアンバランス
汚いあなただから好き
かがやきに病める
真夜中に開く

まぶたを閉じて綺羅を恋う夜
ぼろ皮膚を抱く柩が足りない
万華鏡みたく茨を踏みつけて
劇場の幕が下りれば廃れもの
手紙にはけむりのくちづけを
その日からさらわれたまんま
ひゅっと消えちゃうたましい
忘却する事を忘れてしまった
その口で幸せだと言わないで
霧の街にうとうとひとりは誰

空っぽの僕らが愛おしい
かわいい天国共のために
どこにもいけない神様は
とろとろに溶けて泥と砂

踊りましょうか終点まで
アン・モラルの頼りなさ
すべて遠雷のせいにして
眠ってるあいだに終末論

大釈迦さまには救われないよう
風見の頭が在る内は地獄なのだ
宗教になってあげてもよかった
蠅ごと燃える此方を楽園とする
クソッタレとドッペルゲンガー
愉快なぐずぐずも聞こえぬまま
名前を忘れた瞞しを運ぶ終電車

知らないふりの針の庭
もう半分が泣いている
玩具の東京塔の暗がり
有象無象と月蝕を思う

一等星になれなかった僕ら
死にかけの洋燈が疎ましい
ほんとうのところは地獄変
夜のほとりで一人は寂しい

迷い子の羽を煮詰めてジャムをつくる
やわい悪魔の骸をおいしそうに食べて
気持ちよかったから何度も救われよう
太陽も昇らない天国へ一緒に行こうか
どこでもない世界に二人もいらないね
嘘つきの悪い子だから消えてしまった
ひとりごつ「素晴らしき人生かな？」

仮面の内より
終焉で眠りたい
天使の名残が笑う
ハレルヤを憎め
非現実になる

本物どれだ
道化の再上演
甘い硝煙を嗅ぐ
にせの春を埋める
赤の他人にしてくれ
正しくなくても祈って
化け物の街から戻れない
まっくらどん底で探してる
かなしい世界で崩れたからだ
劇場外では仮面を脱いで下さい
道しるべがないから誘われちゃう
サイハテ東京飾燈座行超鈍行列車
ぱらぱらに壊せば永遠になれる
救済をゆれる炎にかざしつつ
生きるたび擦り切れている
肯定されないぬるい自殺
怪物に至るまでの綻び
血を泳ぐ奇形の群れ
迷宮の窓より覗く
亡くした咎人よ
夜はおしまい
輪を切って

ふたつきり奈落で燃ゆる星に問う
「天国ならばまた会える？」